失って気づくもの。

1月30日、最後のオリジナルメンバー飯田圭織モーニング娘。を卒業した。


今まで7年間、正直、自分は圭織をちゃんと見てきたとは言えない。
4年前、裕ちゃんからリーダーを引き継いでからは特に・・・


それまで圭織といえば、うたばんでのキャラが端的に示していたように
マイペースで自己チューで『モーニング娘。の初代問題児』といった
印象があった。
そこが苦手だったという人も多かったりもするが、でも少なくともその
ことで興味がひかれ、面白みを感じていた。


しかし裕ちゃんの卒業でリーダーを引き継いでから、そんなキャラは
いつの間にか影を潜め、そして『大人の女性』へと変わった。
リーダーとしての自覚がそうさせたのだろうということはわかるが、でも
それが残念で、自然と『圭織を見る』ことが少なくなっていった。


そしてそんな印象を持ったまま、卒業公演の週末を迎えた。


最終公演の前日29日、ふと中野で購入していた圭織の卒業
メモリアルDVDをまだ見ていないことを思い出し、見てみることにした。
するとそこには、オイラが思っていた以上にメンバーから慕われている
飯田圭織がいた。


圭織がはじめて下の名前で呼んでくれたことや、いつもメンバーのこと
を見ててくれてること、いろいろと気を使ってくれること、ふとしたことで
褒めてくれたこと、最初は怖かったけど、怒られたこともあったけど、
でもそれが今の自分の為になってること、そんなことを次から次に目を
輝かせて語る5期・6期のメンバーたち。


そうなんだよな。
オイラからしたら2代目リーダーでも、5期・6期のメンバーからすれば、
「リーダー = 飯田圭織」であって、身近で接する中で、その存在と
いうのは彼女たちの中ではすごく大きなものだったんだということを今更
ながらにはじめて実感した。


そして裕ちゃんがリーダーのときから共に歩んできた年上メンバーたち。


梨華:

 「お願いとしては、本来の天然ボケキャラとか、甘えキャラとか、
  もう存分に味わって欲しいと思う」


やぐ:

 「6年前の圭織はもう交信だけの圭織だったね、もうホントに。
  あの〜なんて言うのかなあ、圭織が変わったのはぁ、たぶん
  オイラね、リーダーになってからだと思うんだよね。
  裕ちゃんから、バトンを渡してもらって、圭織がリーダーに
  なってぇ、モーニング娘。を引張っていくっていうときにぃ、
  ああなんかすんごい圭織変わったなあって思ったんだよねぇ。
  それまでホントにね、この人面白い人だなあって、ホントに
  思ってたの。
  だってね、しゃべりかけるまでね、一点を見つめてね、誰かと
  交信、ホントに誰かと交信してるの。
  
  圭織がね、リーダーになるっていうときにぃ、まあウチらも
  頑張って、圭織をサポートしていこうってすっごい気合入って
  たんだけどぉ、なんかね、どんどん見る見るうちに圭織がね、
  大人になってってぇ、なんか、あ、こんなすごい、ちょっとした
  きっかけ、まあけっこう大きなきっかけだけどぉ、このきっかけ
  で人はこんなにも変わるんだってすごい思ったんだよねぇ。
  
  でもなんかホントしっかりしててねぇ、今ではホントにモーニング
  娘。のリーダーって感じが、ね、漂ってますけどもぉ、
  そんなリーダーをオイラは受け継ぐんだけど、大丈夫かあ〜
  まあ、オイラもそれをきっかけに、どんどん大人になっていこう
  かな、ね、圭織をね、こう見習って、あの〜素敵なリーダーに
  なれるようにホント頑張りたいと思います。」



2代目リーダーとして、モーニング娘。を引っ張っていくために圭織が
変わったこと、変わってくれたこと、それまでのキャラを封印し、一歩
引いて時には自分を犠牲にしてみんなのために尽くしてくれたこと。
あの飯田圭織が。
そんなすべてを知っている年上メンバー。


このDVDを見て、今までまったくわかってなかったというわけじゃないけど、
でも卒業前日にしてやっと、今のモーニング娘。がある上での圭織の
存在の大きさ、リーダーとしてホントに頑張ってくれていたんだということ
を痛感した。


そして昨日の卒業最終公演。
卒業セレモニーでそんなメンバーたちの想いをより強く感じることができた。
号泣する5期・6期メンバー。
それに対し、泣かずに送り出そうと涙をこらえ気丈に振舞おうとする年上
メンバー。
そこには、
「悲しいけど、でもこれからは自分をいちばん大切に、自分をいちばんに
 優先していいんだよ、今まで本当にありがとう」
そんな感謝の気持ちがあったのだろう。



卒業してはじめて気づいたその存在の大きさ。
ちょっと遅すぎるかもしれない。
でも遅いかもしれないけど、存在の大きさに気づけてよかった。



圭織、卒業おめでとう。
モーニング娘。として7年間、リーダーとして4年間、本当にお疲れ様。
これからはまた自分をいちばんに、自分の本当にやりたいことをやって
飯田圭織らしさ』を魅せてください。



そして残されたメンバーがこのことをきっかけに、娘。魂を継承して
またひとまわり大きく成長してくれることを期待したいと思います。